輸入過程全体

1. 育苗

新たな農園での植え付けには、優良な株から組織培養によって増やした苗を用います。
幼い苗を土とともにビニールポットに入れ、数週間育てます。

育苗写真 段階その1 ビニールポットで育てる
育苗写真 段階その2 屋外施設で育つ苗
育苗写真 段階その3 屋外施設で育つ苗
育苗写真 段階その4 畑への植え付けまで8週間

2. 植え付け

よく耕した畑に、苗を規則正しく植え付けます。

バナナ栽培に適した環境

  • ・土壌:ローム質の砂質土壌 有機物が豊富で、最小限の傾斜で、
    良好な水分レベルを維持し、水はけが良いこと。
  • ・降雨:週間当たり50mmの降雨、年間2500㎜
  • ・平均気温:26℃~27℃
  • ・台風や強風がない土地
image 畑への植え付け
image 植え付けの様子

3. 成育

畑へ植え付け後、バナナの苗はぐんぐん大きくなり、大きな葉が四方に広がります。

散水

雨量の少ないところでは散水器によって水分を補給します。

育成写真 段階その1 畑への移作後3か月
育成写真 段階その2 成長するバナナ

4. 開花・結実

畑に植え付けてから7か月くらいになると、苞(ほう)で覆われたふくらみがあらわれ、しだいに垂れ下がり、赤紫色の巨大な筆先のようになります。

苞(ほう)が外側にめくれると、バナナの実とその先端の白い花が顔をだします。

開花・結実写真 段階その1 花は苞につつまれている
開花・結実写真 段階その2 次第に下垂し
外側からめくれる
開花・結実写真 段階その3 実の先の枯れた花を摘む
開花・結実写真 段階その4 実と赤紫色の苞
(バナナハート)

5. 袋がけ

バナナの実に虫がつくのを防ぐため、全体に袋をかけます。

袋がけ写真 段階その1 袋をかけて虫や直射日光からバナナの実を守る
袋がけ写真 段階その2 保護シートをはさみ
キズ防止
袋がけ写真 段階その3  
袋がけ写真 段階その4 上下を紐でしばる

6. 収穫・運搬

収穫

畑へ植え付け後9か月くらいたつと、ひとつひとつの実も十分に成育し、収穫時期を迎えます。バナナは、まだ青くて硬いうちに収穫されます。収穫は、バナナを傷つけないように2人1組で行われます

運搬

収穫されたバナナは、畑の中に張り巡らされたケーブルに吊り下げられ、パッキング場まで運ばれます。

運搬中に、いくつかの房を抜き取り、きちんと成長しているか品質検査を行います。

収穫・運搬写真 様子その1 収穫の様子
収穫・運搬写真 様子その2 運搬用のケーブルに
吊り下げている様子
収穫・運搬写真 様子その3 ケーブルでパッキング場まで運ばれるバナナ

7. 水洗・選別

水洗い

パッキング場に運ばれたバナナを、水槽の中で水洗いし、チリや埃、切り口からしみ出てくる果樹液などを洗い落とします。

水洗・選別写真 様子その1 パッキングハウスで水洗いの順番を待つバナナ
水洗・選別写真 様子その1 栽培期間中についたチリやほこり、
樹液などを洗い落とす

選別

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水洗い後、バナナの傷や形をチェックします。さらに軸の部分をきれいにカットして整えます。

8. 計量・箱詰

1箱13.0kgになるように重さを量ります。

計量したバナナを箱に詰め、再度重さを量ります。合格したものには、箱に識別番号を記し、万一、何か問題が起こったときにもすぐに対応できるようにします。

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9. 輸出検査

トラックに積み込む前に病害虫の検査が行われます。合格したバナナには植物検疫証明書が発行されます。

image バナナを積んだトラックは一路港へ。港に近い事は、バナナ農園の重要ポイントの一つです。
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10. 船積・出港

港に到着したバナナは、品質検査が行われ、*保冷船に積み込まれた後出港します。輸送中は常に13~14℃に保たれます。

image 船積の様子
image 港での品質検査
image 保冷船でいざ日本へ!到着までは産地により、3日~3週間程かかります。

*輸送中にバナナが熟してしまわないように温度管理された冷蔵船。船倉の温度は常に12~14℃に保たれている。

11. 輸入検査

日本に到着したバナナは、港に隣接した保税倉庫に搬入されます。その後、植物防疫法に基づいた病害虫の検査、食品衛生法に基づいた残留農薬検査等が行われます。

両方の検査に合格したバナナは、通関を経て、輸入されます。

image 日本に到着。荷降ろしの様子。
image 植物検疫の様子

12. 追熟

輸入されたばかりの青いバナナは、室(ムロ)(*1)と呼ばれるところで追熟(*2)され、黄色くなります。室は、温度・湿度などが管理された熟成室で、バナナはここで少量のエチレン(*3)(植物ホルモン)を与えられ、おいしく熟成するのを待ちます。

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*1 バナナを追熟する倉庫。温度や湿度などコンピュータにより管理されている。ここで3~4日かけて熟成されてから店頭に並ぶ。

*2 収穫後、果物の熟成を促し、食べ頃の状態にすること。バナナの場合は、温度・湿度をコントロールされた室で、少量のエチレンを与えながら行う。

*3 植物自身(バナナも含む)が作りだす植物ホルモンの一種。植物の成長に重要な役割を果たす。果物に与えると、熟成を促進する働きがあるため、青いバナナを黄色く熟させるときに使用される。

13. 店頭

配送

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*追熟したバナナはトラックに積まれ、各地へ出荷されます。

* 収穫後、果物の熟成を促し、食べ頃の状態にすること。バナナの場合は、温度・湿度をコントロールされた室で、少量のエチレンを与えながら行う。

店頭から食卓へ

imageスーパーのバナナ売り場

各地へ届けられたバナナは、スーパーなどの店頭を通じてみなさんの食卓に並びます。