季節性インフルエンザと新型コロナウイルスによる
ツインデミック(同時大流行)のリスクが懸念される今年の冬
健康的な日々を過ごす上で重要となる『免疫力』をバナナがサポート!
社会医学系専門医(公衆衛生の専門医) 伊藤明子先生からの「免疫維持のポイント」とともに
ビタミンB6,食物繊維・・・バナナのチカラをご紹介

今年も段々と冷え込む日が増え、本格的な冬の季節が近づいてきました。

気象庁の予報(令和2年9月時点)によると、今年の冬の気温や降雨はほぼ例年どおりとのこと。
しかし、今年の冬は、季節性インフルエンザだけでなく、春先から拡大し、なかなか収束の見えない新型コロナウイルスの感染も心配され、厚生労働省でもツインデミック(二つの大流行)を警戒した対策を行うなど、健康へのさらなる注意喚起が必要とされています。

本ニュースレターでは、こうした不安が高まるシーズンを前に、健康的な日々の生活を過ごす上で、気になる「免疫力向上」に関するお話を公衆衛生学専門の伊藤明子先生に伺うとともに、免疫力向上の効果が期待できるバナナの栄養情報、おすすめレシピなどをご紹介します。

I.季節性インフルエンザと新型コロナウイルスの流行に高まる警戒

昨シーズンのインフルエンザの罹患者数は、普段より早い流行が見られましたが、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、手洗いやマスク着用といった感染症対策の効果もあり、大きく減少しました。

今年は、例年流行する季節性インフルエンザに加え、新型コロナウイルスの感染リスクもあり、今まで経験したことのないツインデミックが起こる危険性があります。

季節性インフルエンザや新型コロナウイルスは、どのような診断や治療が行われるのでしょうか。伊藤先生によると、「季節性インフルエンザと新型コロナウイルスはその症状だけでは区別がつきません。発熱した患者さんが受診された際、検査をしないとインフルエンザなのか新型コロナなのか診断できません。それ以外の病原体や原因による発熱もあります。治療法は、インフルエンザの場合、患者さんの年齢や希望によって、抗インフルエンザ薬、解熱薬、去痰薬、あるいは漢方を当院では処方します。新型コロナウイルスの場合は、医療機関によって、承認薬や治験薬、ステロイド療法や解熱などの対症療法薬を投与します。

風邪症状などの感染症に感染した場合、栄養と休息が一番の治療なので、処方された薬を飲み、栄養のあるものを食べて療養することが基本となりますが、やはり可能であれば感染したくないでしょう。そこで、健康的な日々を過ごす上で重要な免疫力について、伊藤先生にお聞きしました。

II.予防:日々の生活で気をつけたいこと

免疫力が低下する理由・背景

伊藤先生によると、「私たちの免疫は、加齢、生活習慣の乱れ、睡眠不足、ストレス、環境要因等で低下します。(以下、図参照)しかし、食事内容に気をつけ、約7時間の十分な睡眠時間を確保するなど、可能な範囲でストレス管理をすることで、免疫力を下がらないように努めることができます。」免疫力を維持するためには、さらに具体的にどのようにしたら良いのでしょうか。免疫力維持のポイントについて伊藤先生にお伺いしました。

図説明:縦軸は1000人あたりのインフルエンザによる死亡者数、横軸は年齢、上の点線は、新型インフルエンザ、下の実線は季節性インフルエンザ
図説明:縦軸は反応の強さ、横軸は年齢。
・1歳時点では母体の抗体あり、20歳~30歳は妊娠期、その後、B細胞と自然免疫、ヘルパーT細胞1、その後、ヘルパーT細胞2が活性化。水色の実線は制御性T細胞
・65歳をすぎると免疫細胞の一つであるヘルパーT細胞が一気に低下し、死亡率が上がる
【上記図/出典:https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2014.3085

免疫力を低下させないための工夫

a.食事・栄養:まずは「たんぱく質」。さらに「ビタミンD」、「食物繊維」も!

感染症と闘う免疫細胞や抗体はたんぱく質でできています。卵、魚、肉、大豆製品など動物性と植物性の両方のたんぱく質を、毎食手のひら一杯程度摂取することがおすすめです。

免疫力向上に必須ではあるものの現代人に不足しがちな栄養素である鉄、亜鉛などのビタミン・ミネラルは、すりゴマや玉子の黄身など、たんぱく質を含む食材に含まれています。また、最近免疫力に重要な栄養素として注目されているビタミンDは、鮭・サーモン、いわしなどに含まれています。さらに、腸管免疫力向上には、乳酸菌などの善玉菌だけでなく、善玉菌のエサとなる食物繊維が重要です。

b.睡眠:十分な睡眠時間の確保を...

睡眠に関する多数の研究によると、免疫力の維持には7〜8時間の睡眠が必要で、睡眠時間が短いと免疫力が急激に低下します。8時間以上眠る人と8時間未満の人では、風邪のかかりやすさが約3倍違うという研究もあります。

c.運動:適度な運動

また、運動をしないと免疫力が落ちるという研究も多数あります。ウォーキングだけでなく、軽度な筋トレも必要です。

d.ストレス管理:ストレスの受け止め方の工夫。笑うことも免疫力向上に良い!

ストレスを引き起こす出来事は日々起きるものです。ただ、できるだけ流すように、前向きな姿勢や気持ちでいることが免疫力の維持に繋がります。アメリカの医学生対象の研究では、三日間、連続で学科テストを受けただけでNK細胞が減ったという結果が出ています。また、声を出して笑うとNK細胞が増えるという研究も複数あります。

III.『免疫力』をバナナが下支え-免疫力UPが期待できるバナナの栄養素-

①ビタミンB6‐たんぱく質の代謝を助ける‐

免疫力を低下させないために最も重要な栄養素のひとつがたんぱく質です。そのたんぱく質の代謝に必要な栄養素がビタミンB6です。ビタミンB6は、バナナ、サーモン、鶏むね肉、豚肉、牛肉、サツマイモに豊富に含まれています。その中でもバナナは、調理が不要で、そのまま食べることができ、価格もお手軽なため、日常的に食べる上でもおすすめの食材です。

②食物繊維‐腸管免疫を支える‐

腸管免疫を支える上で重要な食物繊維。バナナには、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれます。

<〜腸内環境が乱れるリスクは、こんなところにも!〜>

伊藤明子先生によると、新型コロナウイルス対策として推奨されている消毒ですが、次亜塩素酸ナトリウム、ブリーチなどの消毒剤の過度な多用は腸内環境を乱すという研究結果が1980年代頃から報告されており、今後、アレルギーリスクが高まることが懸念されるとのこと。
このような状況では、腸内環境を整えていくことがより重要になり、バナナをはじめとするプレバイオティクスの積極的摂取で、善玉菌のエサを十分量摂取し、腸内環境を維持・強化していくことが今後のアレルギー予防にも繋がることが期待されます。

バナナにはその他にも嬉しい栄養素が満点!

トリプトファン

免疫維持につながる睡眠。睡眠時間をしっかり確保するとともに、より質のよい睡眠をとることも大切なこと。この良質な睡眠に不可欠なのが、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌です。このメラトニンの分泌を促す物質がセロトニン。さらには、セロトニンを生み出すのが、必須アミン酸「トリプトファン」です。バナナには、このトリプトファンの他、よりよい睡眠のために一緒に摂るのがポイントとされる炭水化物やビタミンB6も、含まれているんです。

カリウム

バナナには、筋肉の機能を調整し、けいれんを防ぐカリウムも豊富に含まれています。運動前に摂ることで、筋肉パフォーマンス低下を抑制したり、ケガから身を守る効果が期待されます。また、体内の塩分濃度を調節するカリウムのはたらきから、とりすぎた塩分を排出して、顔や体のむくみを防ぐことも期待されます。

ポリフェノール

ポリフェノールが豊富で、ビタミンB2、ビタミンB6も多いバナナ。果物の中でトップクラスの抗酸化パワーで肌のアンチエイジング効果のほか、免疫力アップが期待されます。若々しい体のキープに、バナナがおすすめです。

IV.免疫サポート!バナナのおすすめレシピ レシピ考案: 伊藤明子先生

ホットバナナシナモン 〜寒い朝に心もカラダも温まる 簡単でヘルシーなバナナシナモン〜

◇材料 1人前

バナナ半分(小さめのバナナなら1本)
シナモンパウダー
メイプルシロップ

◇作り方

1. バナナの皮をむき、斜め切りにする。
2. お皿にならべて電子レンジで40秒〜60秒温める。
 (秒数はバナナの柔らかさの好み次第で調整)
3. シナモンパウダーをふる
4. お好みでメイプルシロップを添える

* シナモンは抗酸化力(炎症を抑える力)がとても高い超ヘルシースパイス。同じく抗酸化力が期待できるバナナに、朝からひとふりシナモンも加えることで、風邪予防効果も期待︕

プロテインバナナ蒸しケーキ 〜プロテインパウダーとバナナで作る簡単ヘルシー蒸しケーキ〜

◇材料 2人前

バナナ 半分 (小さめのバナナなら1本)
大豆系プロテインパウダー 100g
卵 1個
オリーブオイル 小さじ1
牛乳 大さじ4

◇作り方

1. ボウルに卵を割り入れよくほぐす。
2. 上記ボウルに牛乳とオリーブオイルを入れてまぜ、そこにプロテインパウダーを入れる。
3. スライスしたバナナを上記に混ぜる。
4. パウンドケーキ型に移して、数回、上からテーブルに落として空気抜きをし、上面を平らにする。
5. 電子レンジ(600W)で2分半、加熱する

* 小麦粉やパンケーキミックスではなく、プロテインパウダーを使うことでたんぱく質を摂取。 バナナとの組み合わせで、理想的な栄養バランスに近づきます。

社会医学系専門医(公衆衛生の専門医) 伊藤 明子先生

赤坂ファミリークリニック 院長・
東京大学医学部附属病院小児科医
伊藤(いとう明子みつこ) 先生

小児科医、社会医学系専門医(公衆衛生の専門医)。東京大学大学院 医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。NPO法人 Healthy Children, Healthy Lives代表理事。
有限会社 アクエリアス代表取締役社長(同時通訳・国際会議運営)、同時通訳者、医学系学会での会議通訳、米国大統領をはじめ多々の国賓の通訳に従事。東京外国語大学卒、帝京大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科卒。近著に「医師がすすめる抗酸化ごま生活」アスコム。2児の母。多数のテレビに出演、雑誌メディア掲載。